米映画協会(MPA)は8月17日、TikTokを運営する中国ByteDanceとの間で、生成AIモデルによるハリウッド映画・テレビ作品の知的財産侵害を防止するための覚書(MOU)を締結したと発表した。対象となるのはTikTok本体やTikTok USDS合弁会社、動画編集アプリ「CapCut」、画像・動画生成AI「Dreamina」など、ByteDanceが手がける全てのAIモデルに及ぶという。MPA側は今回の合意を「ハリウッドの映画業界とAI企業との間で結ばれた著作権保護に関する初の正式合意」と位置づけている。
今回の覚書は、MPAが今年2月にByteDanceへ送付した停止要求書がきっかけとなった。当時、ByteDanceの動画生成AI「Seedream 5.0 Lite」や「Seedance 2.0」を使い、著作権で保護された映画のキャラクターや映像を無断で再現するコンテンツをユーザーが生成しているとして問題視されていた。報道では、実在俳優2人が格闘する架空の映像が生成された事例などが具体例として挙げられている。
合意の詳細な運用方法は明らかにされていないが、ByteDance側が著作権保護コンテンツの学習・生成を制限するガードレールを技術的に導入し、MPA加盟スタジオの知的財産をTikTokおよび同社のAI製品上で保護する枠組みを構築するとみられる。生成AIをめぐる著作権問題では、これまで米国内外で複数の訴訟が係属してきたが、大手AI企業と業界団体が交渉によって具体的な保護の枠組みに合意する今回のような動きは珍しく、今後の業界標準になり得るとの見方も出ている。
出典: Deadline



