Anthropicは11月5日、Claude Developer Platformのリリースノートで、Claude Enterprise組織の管理者がAdmin API経由でメンバーを「どこからでも」サインアウトさせる新しいベータ機能を発表しました。対象のエンドポイントは`POST /v1/organizations/users/{user_id}/sign_out`で、リクエストには`admin-user-sign-out-2026-10-08`というベータヘッダーを付ける必要があります。
公式ドキュメント「Sign a member out everywhere」によると、このAPIを実行すると、対象メンバーのすべてのブラウザ・デバイスでのサインインセッション、登録済みの信頼済みデバイス、その組織に対して発行されたOAuthトークン(Claude Codeやサードパーティアプリのものを含む)、2段階認証のスキップ記録、プッシュ通知の登録が無効化されるとAnthropicは説明しています。実行には`write:members`スコープを持つAPIキーが必要で、キーは発行元の組織でのみ有効だとされています。
一方で同ドキュメントは、このAPIが終了させないものも具体的に挙げています。対象メンバー自身が発行したAPIキー(Admin APIキーを含む)は無効化されず、別途Keysページで削除する必要があるとされています。また、Claude Codeのクラウドセッションやスケジュール済みのルーティンはこの操作の影響を受けず動作を続けること、進行中のサインインは最大5分間完了し得ること、primary ownerはこのAPIで強制サインアウトできず400エラーになることも明記されています。メンバーは組織内の権限・座席を維持したままで、すぐに再度サインインできるため、完全にアクセスを止めたい場合は別途メンバーの削除やID管理システム側での無効化が必要だとされています。
AIGNALの見解としては、このAPIは従業員の退職時やデバイス紛失時など、即時にアクセスを止めたいセキュリティ対応の場面で役立つ機能です。ただしAPI自体は「サインアウト」であって「アクセス権の削除」ではない点は実務上重要な違いで、本当にアクセスを断ちたい場合はメンバーの削除やIDプロバイダ側での無効化を別途行う必要があります。また、Claude Codeのクラウドセッションやスケジュール済みのルーティンがこの操作の対象外である点は、インシデント対応の際に見落とされやすい点だと考えられます。小規模チームであっても、退職・異動時の手順にこのAPIと「メンバー削除」「IDプロバイダでの無効化」をセットで組み込んでおくことが望ましいでしょう。なおこのAPIはベータ版であり、今後仕様が変わる可能性がある点にも留意が必要です。



