Anthropicは11月5日、Claudeの新機能「Personal Finance」をベータ公開しました。銀行口座やクレジットカードを連携すると、残高や取引履歴をもとにClaudeが自分の支出や今後の支払いについて平易な言葉で答えられるようになる機能です。対象はPro・Max・Ultraプランを利用する米国のユーザーで、公開週から順次ロールアウトされます。
公式記事によると、Personal Financeは連携した複数の口座の残高・取引をまとめて集計し、カテゴリ別の支出(同社が示す例では今月の総支出4,309.37ドルのうち食費・飲食が1,024.51ドル)を示したり、前月との比較、給料日前に控えている支払いとその後に残る見込み金額を提示したりします。重複課金や見慣れない手数料、徐々に上がっている請求額などの「気になる点」を指摘する機能や、APRなど金融用語の説明、支出グラフ・請求カレンダー・カスタムダッシュボードの作成にも対応するとされています。
口座連携には金融系API連携サービスのPlaidを使い、Anthropicはユーザーの銀行パスワードを受け取らないと説明しています。アクセスは読み取り専用で、Claudeが資金を移動・管理したり投資助言を行うことはできないとされています。Personal Financeのハブ内でのやり取りはAnthropicのモデル学習に使われない一方、それ以外の通常のチャットは各ユーザーのプライバシー設定に従うとのことです。広告や提携企業への誘導は行わず、Anthropic自身がクレジットカードやローン、預金口座を提供することもないと同社は述べています。連携した口座はいつでも解除できます。
AIGNALの見解としては、読み取り専用かつPlaid経由で銀行の認証情報を直接渡さない設計は、個人利用者にとって比較的始めやすい部類のAI連携といえます。ただしベータ・米国限定・有料プラン限定という制約があり、日本の利用者はまだ試せません。また同社自身が「金額は銀行側で必ず確認してほしい」と注意している通り、生成AIによる集計・計算には誤りが混在する可能性があるため、確定申告や経費精算など確定額が必要な用途にそのまま使うのは避け、あくまで支出の傾向をつかむための下書きとして利用するのが安全でしょう。金融機関や資産運用会社との協業をこれから募る段階だとも説明されており、現時点ではまだ実験的な位置づけの機能と捉えておくのが妥当です。



