AI推論向けの半導体を開発するスタートアップEtchedは8月18日、大手金融取引会社ジェーン・ストリートが主導する7億ドルの資金調達を実施し、評価額が210億ドルに達したと発表した。同社はまた、ジェーン・ストリートへの初のフルシステム納入が完了し、実際の業務に導入され稼働を始めたことも明らかにした。
Etchedは「フロンティア推論クラスター」と呼ぶAI推論専用のシステム一式を手がける企業で、AIモデルの応答生成の前段にあたる「プリフィル」処理向けの低電圧チップと、後段の「デコード」処理向けに新設計したメモリー・相互接続技術を組み合わせているのが特徴。多数のチップを低遅延で共有メモリープールに接続するアーキテクチャにより、高速化と低コスト化を狙う。AI企業やクラウド事業者との契約総額は既に10億ドルを超えているという。
同社は7月23日にもSequoia Capitalが主導する3億ドルのシリーズCラウンドを実施し、評価額10億3000万ドルを付けたばかりだった。このラウンドにはa16z、ジェーン・ストリート、Diffusion、SKハイニックスも参加していた。さらにさかのぼると、12月時点の評価額は50億ドルであり、今回の調達により約1カ月で評価額がほぼ倍増したことになる。
Etchedは2022年にハーバード大学の中退者3人が創業。NVIDIAが強い影響力を持つAI半導体市場の中で、推論処理に特化したハードウェアで対抗しようとするスタートアップの一つに位置づけられる。
出典: TechCrunch



