AIニュース

Google、ウェアラブル端末データから病気の兆候候補を探すAI「CoDaS」を発表

公開日: ・出典: Google Research公式ブログ

Google Researchは8月21日、公式ブログでウェアラブル端末のセンサーデータから、病気の兆候になりうる候補(デジタルバイオマーカー)を見つけ出すAIツール「CoDaS(AI Co-Data-Scientist)」を発表しました。スマートウォッチなどのウェアラブル端末は心拍・睡眠・活動量といったデータを絶えず記録していますが、そこから臨床的に意味のある仮説を見つけ出す作業は人手に頼る部分が大きく、時間がかかるのが実情でした。CoDaSは、複数のAIエージェントによる仮説生成、決定論的な統計分析、敵対的な検証、医学文献に基づく解釈を組み合わせ、人間の監督のもとで候補を絞り込む仕組みです。

研究チームは、9279件分の参加者データを含む3つのウェアラブルデータのコホートにCoDaSを適用し、再現性・安定性・頑健性・情報漏えいの有無といった内部チェックを経たうえで、メンタルヘルス関連で41件、代謝関連で25件のデジタルバイオマーカー候補を絞り込みました。うつ症状の重さに関しては、睡眠時間や入眠タイミングの日々のばらつきといった「概日リズムの不安定さ」を示す signal が有力な候補として浮かび上がり、代謝の分野では歩数と安静時心拍数から算出する心肺機能指数を導き出したほか、インスリン抵抗性との関連が知られる既存の臨床指標(AST/ALT比)も改めて検出し、AIの判断が既知の医学的知見と整合していることを確認したとしています。

12人の臨床医が計約25時間をかけて候補を評価したところ、医師による有効性の判断はCoDaSが算出した確信度のランク付けとおおむね一致したといい、ウェアラブルデータを手作業でふるいにかける労力を大きく削減できる可能性を示しています。

Googleは、CoDaSはあくまで人間の研究者と協働する「共同研究者」であり、診断を下すものではないと強調しています。ここで見つかった候補はいずれも、実際の医療応用の前に専門の臨床研究による検証が必要な段階にとどまり、AIを科学的発見の補助役として活用する近年の潮流のひとつと位置づけられます。

出典: Google Research公式ブログ

Xでシェア