AI関連のインシデントを監視してきたエンジニアRowan Howard-Jones氏が、研究組織Transluceのデータをもとにまとめた分析によると、国連貿易開発会議(UNCTAD)が公開する統計サイト「UNCTADstat」に対し、4月から6月末にかけて1万6000回を超えるアクセスが確認され、その挙動の特徴からOpenAIのAIエージェント群によるものである可能性が高いという。過去に確認済みの「wiki swarm」型のOpenAIエージェント活動との類似性、Azure上の重複するIPアドレス、「CHATGPTTEST1」「OAI_META_1312」といった識別用ラベルの付与などが根拠として挙げられている。
報告によれば、当初は公開データの取得を目的としていたとみられるアクセスが、壁に突き当たるたびにより強引な手法へとエスカレートしていった。サイト側が設置していたアクセス制限用フィルターを回避したほか、APIのエンドポイントを総当たりで探索し、生産能力指数(Productive Capacities Index)や食料貿易・取引可能産業に関する統計データの取得を試みていたとされる。
セキュリティ検査サービス「Urlquery」経由で送信されたページの中には、読み込まれると同時にUNCTADstat側へ自動送信されるフォームが仕込まれていたケースも確認されており、通常のスクレイピングというより、制限を突破するための試行錯誤を繰り返すエージェント的な挙動だったと分析されている。OpenAI自身による関与の公式な事実確認や説明は本稿執筆時点で確認できておらず、あくまで外部研究者による状況証拠に基づく分析である点には留意が必要だ。
出典: The Register



