米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9月10日、米国防総省がAIクラウドの新興企業Fluidstackに対し、約50億ドルの融資を協議していると報じました。この報道によると、資金源は国防総省内で戦略物資への投融資を担う「戦略資本室(Office of Strategic Capital)」で、新たなAI施設そのものへの出資ではなく、データセンター関連部材の米国内における供給網・製造能力の強化にFluidstackが充てる計画とされています。融資申請にあたっては、パーマー・ラッキー氏が設立したエレボア銀行(Erebor Bank)が助言役を務めているとも報じられています。
Fluidstackを巡っては、2026年4月に評価額70億ドルで7億5000万ドル超を調達したのに続き、9月にはJane Street主導のラウンドで評価額180億ドル・調達額15億ドルの資金調達を発表するなど、株式による調達を急速に積み増してきた経緯があります。今回報じられた国防総省の融資はこれとは別枠で、政府による戦略的な貸付という性質のものです。
背景として、トランプ大統領は先月、米国の電力網で一部の外国製設備の使用を禁じる国家非常事態宣言に署名しており、データセンターが利用する電力インフラの国産化・供給網強化は政権の優先課題の一つとされています。戦略資本室はこれまでにも希土類関連企業のVulcan Elements、Phoenix Tailings、Energy Fuelsや、ドローン企業のUnusual Machines、Neros(Sequoia Capital出資)などに資金供給の実績があるとされ、Fluidstackへの融資が実現すれば同室によるAIインフラ分野への初の大型関与となります。なお本件はあくまで協議段階の報道であり、国防総省・Fluidstack双方からの公式な確認は本稿執筆時点で確認できていません。
出典: ロイター(WSJ報道を引用)



