米証券大手Charles Schwabは10月15日発表の2026年第3四半期決算で、無許可の外部AIエージェントが顧客の資産を操作しようとする動きをブロックしていると明らかにした。Rick Wurster CEOは、ログイン情報の入力やブラウザ操作の模倣を通じて顧客口座にアクセスしようとする外部エージェント(Metaの「Muse」などの名前も挙げられている)を遮断していると説明した。その代わりに外部ツールへはMCP(Model Context Protocol)経由で読み取り専用のアクセスを提供し、資産移動を伴う操作は自社のAIアシスタント「Charley」に限定する方針を示した。Charleyはまず残高確認や住所変更、信頼できる連絡先の登録といった事務的な作業への対応から始め、数カ月内に全顧客への提供を目指すという。
同様の対応は銀行大手JPMorganでも報告されている。CEOのJamie Dimon氏は決算説明の場で、外部のAIエージェントが同行のシステム内部に直接入り込むことを許可しない方針を明言したと報じられている。Chaseのアカウントについては、Plaidなど外部の連携サービスを通じた残高確認などの読み取り専用アクセスは可能だが、資産を直接動かす権限を外部エージェントに与える計画は示されていない。
両社に共通するのは、顧客の認証情報を使って金融機関のシステムに「なりすまし」でログインするタイプの外部AIエージェントに対する強い警戒感だ。Wurster氏は、こうした無断操作が生じた際の責任の所在が明確になっていない点を課題として挙げている。背景には、AIエージェントが低金利の待機資金を自動的に高利回りの運用先へ移してしまうことへの警戒も指摘されており、金融機関側の収益構造への影響を懸念する分析も出ている。
出典: American Banker



