Anthropicが今年10月を目標に進めているとされる新規株式公開(IPO)に向け、投資家向け説明資料で30兆ドルを超える潜在市場規模(TAM)を提示する見通しであると、Wall Street Journalが関係者の話として報じた。TAMは「その企業が理論上獲得しうる全顧客からの年間売上高の上限」を示す指標で、成長余地の大きさをアピールする目的でIPO資料にしばしば用いられる。今回報じられた数字が実現すれば、今年6月に上場したSpaceXが投資家に示した28.5兆ドルという推計を上回ることになる。
報道によれば、AnthropicはIPOにあたり最大1000億ドル規模の資金調達を視野に入れ、時価総額はおよそ2兆ドルを目指しているとされる。直近の資金調達ラウンドでの評価額は965億ドルだったとされ、これが実現すれば短期間での大幅な評価額の引き上げとなる。Anthropicは今年6月1日付でSEC(米証券取引委員会)に非公開でIPO申請を行ったと報じられており、Goldman Sachs・JPMorgan・Morgan Stanleyが主幹事を務める見通しとされる。
AnthropicはIPO資料で2026年の年間換算売上高を1000億〜1200億ドル、2028年には1900億〜2000億ドル規模に伸ばす計画を投資家に示しているとも報じられている。もっとも、こうした巨額のTAM算定に対しては懐疑的な見方も根強い。SpaceXのIPO時にも、ニューヨーク大学の金融学教授Aswath Damodaran氏がAI企業のTAM算定について「もっともらしさの限界を超えつつある」と指摘しており、Anthropicの今回の数字にも同様の慎重な受け止めが予想される。



