Anthropicは、Claudeに新規タンパク質の設計を担わせる研究の成果を公式の研究ブログで公開した。今回の取り組みでは、特定の標的タンパク質に強く結合し、その機能を阻害・変化させる小型タンパク質「ミニバインダー」の設計を、Claude Opus 4.8および実験段階のモデル「Mythos Preview」に行わせている。Claude自体が専用の生物学モデルを持っているわけではなく、業界で広く使われている既存の、一般公開されたタンパク質設計・co-folding(共折り畳み)モデル群をClaudeがツールとして自ら操作する形で設計を進めた点が特徴だ。
設計結果は、タンパク質合成企業のTwist Bioscienceと、自動化された設計・検証プラットフォームを持つAdaptyv Bioという外部2社によって独立に製造・検証された。15の標的のうち14件で機能するタンパク質の取得に成功し、成功率は使用した手法によって22〜35%と、この種の設計キャンペーンで一般的とされる10〜15%を上回る結果になったという。少なくとも6標的では高い親和性を持つバインダーが得られ、うち4標的以上では既存の報告例と同等かそれを上回る親和性を記録した。
中でも「RBX1」という標的に対しては、Mythos Previewが設計したバインダーが40%の成功率を達成し、Adaptyv Bio主催のコンペティションに参加した人間の専門家チーム(成功率3.7%)を大きく上回った。Claudeが提出した最上位の設計は、同コンペティションの優勝作品の性能も上回ったという。新薬開発の初期段階で数週間から数カ月かかるとされてきたバインダー設計工程を、AIエージェントが既存ツールを使いこなすだけで大幅に効率化できる可能性を示す結果として注目されている。



