Anthropicは9月2日、ネット通販向けAIエージェントの参照実装をまとめた設計図「Claude Commerce Agents」をApache 2.0ライセンスで公開しました。GitHubリポジトリ「anthropics/commerce-agents」として配布されており、買い物客に対応する「ショッピングエージェント」と、店舗側の業務を担う「マーチャントエージェント」という2種類のエージェントを軸に、小売・旅行・通信・エンターテインメントの4業種向けにすぐ動かせる実装例をまとめています。
ショッピングエージェントは、自然な言葉での要望を受け付け、商品カタログを検索して候補を比較し、好みを記憶しながら複数商品のカートを組み立て、チャット上で商品を表示した上で、店舗側が既に使っている決済処理へカートを引き継ぐところまでを担います。一方のマーチャントエージェントは、在庫管理や価格設定の提案、キャンペーン文面の下書きなど店舗運営側の業務を、人による承認を挟みながら支援する設計です。
設計図自体はApache 2.0ライセンスのオープンソースで、Python 3.11以降とNode 22で動作し、Anthropic純正のクライアントであればClaude APIだけでなくAmazon Bedrock・Microsoft Foundry・Google Cloud Vertex AIのいずれの上でも同じコードを動かせる点を特徴としています。エコシステムパートナーとしてAccenture・Visa・Mastercardが名を連ね、クライアント企業や加盟店ネットワークへの導入を支援するほか、ShopifyやPriceline(プライスライン)が早期導入企業として挙げられています。
Anthropicは、Claudeを使ったショッピングエージェントを既に運用している小売事業者の実例として、カート内商品の想定金額が最大35%増加し、購入完了に至る可能性も最大60%高まったとする効果を公表しています。EC分野でのAIエージェント活用を競う動きは各社で広がっており、既製の設計図を無償公開することで導入のハードルを下げ、Claudeを軸としたエコシステムの拡大を狙う思惑がうかがえます。



