The Informationの報道として複数の海外メディアが伝えたところによると、Anthropicは2025年10月以降の約11カ月間で、10社を超えるクラウド・インフラ事業者との間に、最大5170億ドル規模のコンピュート(計算資源)契約を積み上げたとされています。これにより、従来1〜2ギガワット程度だった自社の計算基盤に、少なくとも14.8ギガワット分の容量が新たに上乗せされる計算です。最大の契約はAmazonとGoogleから10年間で11ギガワットの供給を受けるもので、金額は300億ドル超と報じられています。このほかMicrosoft Azureとは1ギガワット分で300億ドル、SpaceXとは約450億ドル規模、LambdaとnScaleとは合計で460メガワット・6年間・800億ドル規模の契約をそれぞれ結んだとされます。
Anthropicは2025年12月の時点で、投資家に対して2029年までのサーバーリース予算を約1800億ドルと説明していたとされ、今回報じられた5170億ドルという規模は、その9カ月後にはすでに3倍近くに膨らんでいることになります。急激な調達拡大の背景には、Claude Codeをはじめとする自社製品の需要急増があるとみられ、同社は2026年第2四半期に11億5000万ドルを超える売上高と黒字の調整後営業利益を投資家向けに報告したとも伝えられています。IPO(新規株式公開)を見据えた資金・インフラ両面での準備が急ピッチで進んでいる格好です。
ただし、5170億ドルという数字はAnthropic自身が公式に開示した予算や確定した支払い義務ではなく、クラウド契約・チップ調達・データセンターの長期リースなど性質の異なる複数の合意を積み上げた上限見積もりである点には注意が必要です。契約の多くは2030年以降まで段階的に履行されるもので、契約上の最大容量が実際に使われない可能性もあります。競合のOpenAIも2030年までに7500億ドル規模の調達計画を示しているとされており、フロンティアAI企業各社によるインフラ争奪戦が過熱していることがうかがえます。



