日経ビジネス電子版は9月3日、米国の訴訟手続き(ディスカバリー)で開示された資料をもとに、出版取次最大手の日販(日本出版販売)が、AI学習用データを求める米Anthropicに対し大量の書籍を販売する契約を結んでいたと報じた。一方、米国内の主要な出版取次各社は同様の書籍販売の打診を拒否していたとされる。
Anthropicはこれまで「プロジェクト・パナマ」と呼ばれる取り組みのもとで、紙の書籍を大量に買い集め、業者に製本部分を裁断させたうえで高速スキャナーに通して電子データ化し、原本はシュレッダーで処分するという手法でAIの学習データを調達してきたことが、既に米国内の著作権訴訟の過程で明らかになっている。日販との契約も、こうした書籍調達ルートの一つとみられる。
Anthropicを巡っては、海賊版サイトからダウンロードした書籍を無断で学習に使ったとして著者・出版社の集団訴訟が起こされ、総額15億ドル(約2400億円)の和解が2026年に成立している。一方でこの和解に加わらなかった一部の著者らは、Anthropicに加えOpenAI・Google・Meta・xAI・Perplexity AIの計6社を相手取り、海賊版データの無断学習を理由に別途提訴しており、日販との契約に関する情報も、こうした一連の訴訟の証拠開示手続きの過程で明らかになったものとみられる。
出典: 日経ビジネス電子版



