米商務長官のハワード・ラトニック氏は9月2日、米ノースカロライナ州チャペルヒルで開催されたG20革新閣僚会合の場で、AI企業AnthropicのダリオCEOを信頼しているかと問われ、「彼らは我々の求めに応じた。正しい側に戻ってきた。だから答えはイエスだ」と述べた。Axiosなど複数メディアが報じている。
会合にはAnthropic共同創業者のトム・ブラウン氏も出席し、ラトニック氏がG20各国の閣僚らにブラウン氏を紹介する一幕もあった。ブラウン氏はトランプ大統領がデータセンター整備の意義に触れた自身のSNS投稿に言及し、「データセンターが莫大な繁栄の源泉になっているとの指摘に、まさにその通りだと感じた」と歓迎する姿勢を示したという。
両者の関係修復の背景には、Anthropicのモデル「Mythos 5」「Fable 5」に米政権が科していた輸出規制が6月末に解除された経緯がある。もともとは、国防総省がAnthropicのクラウド上でのClaudeモデル運用を巡る契約交渉の中で、同社が自律型致死兵器システムや国内監視への利用を制限する契約条項を求めたのに対し、国防総省側が「企業に軍の運用ルールを指図する権限はない」として反発し、対立が先鋭化した経緯がある。国防総省は一時、Anthropicを外国の脅威主体向けに使われてきた「サプライチェーンリスク」に指定し、同社との取引を事実上遮断していた。
もっともAxiosの報道によれば、ラトニック氏の発言の翌日にあたる9月3日、国防総省高官はこのサプライチェーンリスク認定を撤回する考えがないことを改めて表明したとされる。8月28日には連邦地裁判事がこの認定について、批判への意趣返しを目的とした違憲な措置だとの判断を示したばかりだったが、政権内でも商務省と国防総省の間で対応の足並みが必ずしも揃っていない実態が浮き彫りになった形だ。
出典: Axios



